六郎田天鈴記念館
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ごあいさつ

下記は、平成17年6月に「六郎田天鈴 インターネット美術館」として開館した際、六郎田天鈴によって書かれた挨拶文です。



 この度インターネット上で私の作品を掲示し、多くの皆様方にご高覧戴けることは、この上ない喜びであります。
  画業六十有余年、激動の中をひたすら芸術と共に歩んだ人生ではありましたが、あらためて振り返ってみますと様々な事柄が走馬灯のように胸に去来し、感慨深い物があります。
  自らの人生を長い旅路に例えるならば、三つの山を越えてきたように思います。一つ目は、獣医であった私が画家を志して北海道から上京し、美校(現、東京芸術大学日本画科)に入学し、当時、主任教授で日本画壇の重鎮でもあられた川合玉堂先生をはじめ、優れた教授の方々にご師事頂き、画家としての第一歩を踏み出し、また、学友と画論を闘わせ切磋琢磨した日々、卒業と同時に文展(文部省美術展覧会)に初出品初入選し、天にも昇るような歓喜とともに思い残すこと無く、それから程無く出征し青春の真っ只中にあった我々を時代が呑み込んでいきました。
  2つ目は、中国(南支那)に陸軍士官(南支独立二十二旅団獣医部長)として従軍し、軍馬全般の管理に携わり、幾多の作戦にも参画し何度か愛馬に命を救われました。司令部に勤務していた時、硫黄島で玉砕された栗林中将(当時)が赴任され何かとご指導を仰ぎ、我々若手士官にも親しく接しられ、心細やかにして度量の大きい尊敬するべき名将でありました。敗戦後しばらく現地へ留まりましたが、その時、親切にしてくれた現地の人々に何枚かスケッチを描いて差し上げたことを思い出します。残念なことに尊敬していた上官、戦友をはじめ、筆を銃に持ち替えて戦った学友も才能を開花させること無く戦場で次々と散華して行きました。余りにも尊い犠牲を払った対戦でありましたが、自然の営みは変わること無く長江の雄大な流れは何事も無かったかのように満々たる水をたたえて流れているだけでした。
  3つ目は、復員後自分の芸術と向き合う日々の中で、気宇広大な画風を目指し、“山と馬”を大きなテーマとして創作活動を送る、私の心の中にはやはり戦争で失われた尊い命への鎮魂と日本の平和と、且つ発展を祈り、覧るひとに感動と希望を与えるべく微力乍ら努力して参りました。まだまだ得心の行かない作品ばかりではありますが、今後も命の続く限り道を求め、更に発展させていきたいと思う所存であります。

六郎田天鈴

六郎田天鈴記念館 管理人:六郎田健三
お問い合わせ 記念館TEL:048-585-3933 管理人携帯:090-851-90915

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